恋は盲目

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憧れは偶像〜牧生くんのことを考える〜 映画「MARS〜ただ、君を愛してる〜」感想

※映画のネタバレ含みます



もう7月ですが、やっと!映画「MARS〜ただ、君を愛してる〜」を見てきました。藤ヶ谷くんも窪田くんも麗しかった……!そしてまりえちゃんがかわいい!とてもかわいい!
以下、鑑賞後感想というか備忘録です。あくまで私の解釈ですが思ったことを書きました。セリフは全てニュアンスです。



牧生は、キラに出会ってからの零に対して「本来の零に戻ってよ」「強い零が好きなんだ」と言う。それに対して、キラの「樫野くんはいろんな色を持ってる」「桐島くんは黒一色」という言葉。牧生は零の「黒」の部分に憧れを抱いていて、零の他の色には興味がない。憧れはそういうものである。その人の一部分に惹かれて、そこに憧れるとき、私たちはその人の他の部分には興味がなかったり、まっすぐに見ることができなかったりする。 対して愛とは、その人の持つさまざまな色を全部まとめて受け入れることである。牧生の零に対する思いが「憧れ」であるなら、キラの零への思いは「愛」であると、この作品では描かれているのだ。

牧生がキラを殺そうとして零に助けられるシーンの最後、倒れて1人になった牧生が零について「これじゃまるで、正義の味方じゃないか」とつぶやく。「この世には3種類の人間が居る。強い人間、弱い人間、弱いくせに強がる人間」「この世に必要なのは強い人間だけだ」と言っていた牧生にとっては強いこと=正義であるとするなら、「これじゃまるで、正義の味方じゃないか」という言葉には『今まで弱いと思っていた黒以外の色を見せる零が、本当は強かったことに気づいてしまった』という意味が込められているのではないだろうか。

零が海岸で牧生に刺されるシーンのあと、牧生は「また1人になっちゃった、寂しいなあ」と言う。寂しいという感情は、牧生の考える「強い人間」が抱くような感情ではない。つまり、牧生の中にも、牧生自身が気づいていないだけで黒以外の色があるのだ。

いつか、牧生の中の黒も、あたたかい色も、哀しい色も見つけて、愛してくれる人が現れますように。その人を愛することができるようになったとき、貴方はきっと零のようになれるよ。